気管チューブ

記事内に広告が含まれています。
呼吸器

看護師に必須の用語『バイトブロック』

バイトブロックとは? バイトブロックとは、気管挿管・人工呼吸管理中の患者が気管チューブを噛んでチューブを閉塞させてしまわないための医療器具です。全身麻酔時の患者や集中治療室の患者に用いられます。気管チューブは柔らかい素材で作られているため、歯で噛みつぶすことができます。そのため、歯で噛むことでチューブが閉塞・破損につながる恐れがあります。 バイトブロックは、患者が麻酔から覚醒した際、チューブの違和感で歯をくいしばることが多い際に使用されます。このときにバイトブロックがないとチューブが閉塞して呼吸が障害されることがあります。呼吸が障害されると、さらに力を込めて歯をくいしばることで悪循環に陥ります。上気道が閉塞された状態で過度の吸気努力をすると、胸腔内が非常に強い陰圧になるため、陰圧性肺水腫を引き起こす危険性もあります。吸気努力が強い若く強靭な男性ほど、抜管後に陰圧性肺水腫を起こすリスクが高まります。 バイトブロックを使用することで、これらのリスクを軽減することができます。また、バイトブロックを使用することで気管チューブの位置ずれも防止できます。
呼吸器

看護師が知っておくべきスタイレットの基礎知識

-スタイレットの使い方- スタイレットは、気管挿管する際に気管チューブ内に通す柔らかい金属製あるいはプラスチック製の医療器具です。スタイレットを使用することで気管チューブの形状を保持することができ、スムーズに気管内にチューブを留置することが可能となります。 スタイレットを使用する手順は以下の通りです。 1. 患者の体格に合った気管チューブを選択する。 2. キシロカイン®スプレーで内腔を湿らせる。 3. スタイレットを気管チューブに挿入する。 4. 気管チューブを用手的に任意の形状に曲げる。この時、ホッケーのスティックのようにJの形にすることが多い。 5. 気管チューブの先端よりスタイレットの先端が1~2cm手前の位置になるようにストッパーで固定する。スタイレットの先端が気管チューブの先端から出てしまうと気管チューブを留置した際に気管損傷を起こすので注意を要する。 6. 気管チューブの先端が患者の声門を越えたところで、中のスタイレットをゆっくりと抜去する。スタイレットを挿入したまま気管チューブを気管内に進めてしまうと気管損傷を起こす。また、勢いよくスタイレットを抜去するとチューブが気管から抜け食道に入り込むこともあるため注意する。 以上の点に留意し、正しくスタイレットを使用することで気管挿管をスムーズに行うことができます。