看護師に必須の用語『バイトブロック』
バイトブロックとは?
バイトブロックとは、気管挿管・人工呼吸管理中の患者が気管チューブを噛んでチューブを閉塞させてしまわないための医療器具です。全身麻酔時の患者や集中治療室の患者に用いられます。気管チューブは柔らかい素材で作られているため、歯で噛みつぶすことができます。そのため、歯で噛むことでチューブが閉塞・破損につながる恐れがあります。
バイトブロックは、患者が麻酔から覚醒した際、チューブの違和感で歯をくいしばることが多い際に使用されます。このときにバイトブロックがないとチューブが閉塞して呼吸が障害されることがあります。呼吸が障害されると、さらに力を込めて歯をくいしばることで悪循環に陥ります。上気道が閉塞された状態で過度の吸気努力をすると、胸腔内が非常に強い陰圧になるため、陰圧性肺水腫を引き起こす危険性もあります。吸気努力が強い若く強靭な男性ほど、抜管後に陰圧性肺水腫を起こすリスクが高まります。
バイトブロックを使用することで、これらのリスクを軽減することができます。また、バイトブロックを使用することで気管チューブの位置ずれも防止できます。