看護師が知っておくべき『細胞内寄生菌』

看護師が知っておくべき『細胞内寄生菌』

細胞内寄生菌とは

細胞内寄生菌とは、生きた細胞内に寄生して増殖する細菌の総称である。細胞内寄生菌は、通性細胞内寄生菌と偏性細胞内寄生菌に大別される。通性細胞内寄生菌は、細胞内と細胞外、どちらでも増殖できる病原性細菌である。代表的な病原性細菌として、結核菌、チフス菌、梅毒トレポネーマなどが挙げられる。偏性細胞内寄生菌は、寄生する細胞の外では増殖できない病原性細菌である。代表的な病原性細菌にリケッチア、クラミジアなどが挙げられる。

通性細胞内寄生菌

通性細胞内寄生菌は、細胞内と細胞外の両方で増殖できる病原性細菌です。代表的な病原性細菌に、結核菌、チフス菌、梅毒トレポネーマなどが挙げられます。

結核菌は、結核の原因菌です。ヒトが咳込むことで空気中に散り、空気感染します。長期的な咳、痰、発熱が初期症状として現れ、重症化すると息切れ、血の混じった痰が出る、血を吐く、呼吸困難などの症状が現れる場合もあります。治療は薬物療法が選択されます。

チフス菌は、腸チフスの原因菌です。患者や症状のない感染者の便により汚染された食品や水を介して、口を経由して感染し、発熱、バラ疹、腸出血などが症状として現れます。消化の良い食事と安静、抗菌薬を使用して治療します。

梅毒トレポネーマは、梅毒の原因菌です。梅毒トレポネーマに感染しているヒトとの性交や、感染している妊婦の経胎盤感染で胎児が感染します。感染後の経過期間により症状は変化しますが、しこり、関節痛、発熱、脱毛、大動脈炎などの症状が起こります。治療の第一選択としてペニシリンを使用します。

偏性細胞内寄生菌

偏性細胞内寄生菌とは、寄生する細胞の外では増殖できない病原性細菌である。代表的な病原性細菌にリケッチア、クラミジアなどが挙げられる。これらの微生物は単独で人工的に培養することができず、生きた細胞を使用して、その細胞に寄生させて培養する必要がある。通常の細菌とは、自己増殖力を持たない点で異なる。

リケッチアは元々野山に生息するダニやノミが持つ病原体であり、この病原体を持ったダニやノミに刺されることで感染する。高熱、発疹、頭痛、倦怠感などが症状として現れ、治療には抗生物質を使用する。

クラミジアは鳥類からヒトに感染するオウム病クラミジア、性行為や産道で感染するトラコーマクラミジア、咳込むことでヒトからヒトに感染する肺炎クラミジアが、ヒトに対して病原性を持つ。クラミジアによる主な疾患として性器クラミジア感染症やトラコーマ（伝染性の急性あるいは慢性角結膜炎）、急性呼吸器感染症、中耳炎があげられる。治療には抗生物質を使用する。

細胞内寄生菌による疾患と治療方法

細胞内寄生菌による疾患と治療方法

細胞内寄生菌とは、生きた細胞内に寄生して増殖する細菌の総称である。細胞内寄生菌は、通性細胞内寄生菌と偏性細胞内寄生菌に大別される。

通性細胞内寄生菌は、細胞内と細胞外、どちらでも増殖できる病原性細菌を指す。代表的な病原性細菌として、結核菌、チフス菌、梅毒トレポネーマなどが挙げられる。

結核は、結核菌によって引き起こされる感染症である。結核菌は、咳やくしゃみなどによって空気中に放出され、それを吸い込むことで感染する。結核は、肺に感染することが多いが、他の臓器にも感染することがある。結核の症状は、咳、痰、発熱、体重減少などである。結核の治療は、抗菌薬による薬物療法が選択される。

チフスは、チフス菌によって引き起こされる感染症である。チフス菌は、汚染された食品や水を介して口から感染する。チフスの症状は、発熱、頭痛、倦怠感、腹痛、下痢などである。チフスの治療は、抗菌薬による薬物療法と安静、消化の良い食事が選択される。

梅毒は、梅毒トレポネーマによって引き起こされる感染症である。梅毒トレポネーマは、性行為や感染している妊婦の経胎盤感染で胎児が感染する。梅毒の症状は、感染後の経過期間により変化するが、しこり、関節痛、発熱、脱毛、大動脈炎などの症状が起こる。梅毒の治療は、ペニシリンによる薬物療法が選択される。

偏性細胞内寄生菌は、寄生する細胞の外では増殖できない病原性細菌を指す。代表的な病原性細菌にリケッチア、クラミジアなどが挙げられる。

リケッチアは、ダニやノミが持つ病原体である。リケッチア感染症の症状は、発熱、発疹、頭痛、倦怠感などである。リケッチア感染症の治療には、抗菌薬が使用される。

クラミジアは、鳥類やヒトに感染する病原体である。クラミジア感染症の症状は、性器感染症、トラコーマ（伝染性の急性あるいは慢性角結膜炎）、急性呼吸器感染症、中耳炎などである。クラミジア感染症の治療には、抗菌薬が使用される。