免疫

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アレルギー・膠原病

看護師必須!CD14とは?

CD14とは、主に単球やマクロファージに発現するタンパク質です。単球とは、血液中に存在する白血球の一種で、マクロファージとは、組織や器官に存在する白血球の一種です。CD14は、グラム陰性菌の表面に存在するリポ多糖(Lipopolysaccharide;LPS)に結合し、Toll様レセプター(Toll-like receptor;TLR)による認識を促します。TLRは、病原体の成分を認識する受容体です。LPSは、グラム陰性菌の細胞壁に存在する脂質であり、病原性の重要な因子です。CD14は、LPSを認識してTLRに結合することで、TLRを活性化し、病原体を認識するシグナルを細胞内に伝達します。このシグナルによって、貪食作用(菌やその他の固形物を取り込む作用)が促進され、貪食細胞の中で病原体が死滅します。
内分泌・代謝・栄養

知っておきたい炎症性サイトカインとは

炎症性サイトカインは、炎症反応を促進する働きを持つサイトカインのことです。免疫に関与し、細菌やウイルスが体に侵入した際に、それらを撃退して体を守る重要な働きをします。血管内皮、マクロファージ、リンパ球などさまざまな細胞から産生され、疼痛や腫脹、発熱など、全身性あるいは局所的な炎症反応の原因となります。 炎症性サイトカインには様々な種類があり、それぞれに異なる働きがあります。代表的な炎症性サイトカインには、TNF-α、IL-1β、IL-6などがあります。 炎症性サイトカインの産生は、細菌やウイルスなどの病原体が体に侵入したときに活性化される免疫細胞によって行われます。炎症性サイトカインは、免疫細胞を活性化して病原体の排除を促進したり、血管を拡張して免疫細胞が病原体のある部位に移動しやすくしたりするなど、炎症反応を促進する働きをします。 炎症性サイトカインは、炎症反応を促進する働きがあるため、過剰に産生されると、組織の破壊や臓器不全などの重篤な病態を引き起こすことがあります。 炎症性サイトカインの産生を抑制する薬剤が開発されており、関節リウマチや炎症性腸疾患などの炎症性疾患の治療に使用されています。
血液・造血

看護師が知っておきたい『リンパ球』について

リンパ球は、生体防御に関わる重要な細胞であり、骨髄、胸腺、脾臓、リンパ節、扁桃などのリンパ組織に豊富に存在しています。リンパ球にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる役割と機能を持っています。 リンパ球の主な役割は、異物を認識して排除することです。異物には、細菌、ウイルス、寄生虫、がん細胞などさまざまなものがあります。リンパ球は、これらの異物を認識すると、抗体やサイトカインを産生して排除します。 抗体は、異物を特異的に認識して結合するタンパク質です。抗体は、異物を無毒化したり、マクロファージや好中球などの食細胞が異物を貪食するのを助けたりします。 サイトカインは、免疫細胞の活動を調節するタンパク質です。サイトカインは、免疫細胞の増殖や分化を促進したり、抗体やサイトカインの産生を促進したりします。 リンパ球は、生体防御において重要な役割を果たす細胞です。リンパ球がなければ、私たちはさまざまな感染症にかかりやすくなり、がんを発症するリスクも高くなります。
呼吸器

肺炎球菌とは?

肺炎球菌とは、グラム陽性双球菌の一種で、肺炎レンサ球菌や肺炎双球菌などとも呼ばれる細菌です。肺炎球菌は、通常は病気を起こさない常在菌ですが、様々な状況下で感染症を引き起こす可能性があります。特に、高齢者やHIV感染患者、脾臓機能低下患者のように免疫系の機能が低下している人は、肺炎球菌感染症にかかりやすいと言われています。また、喫煙、COPD、C型肝炎なども肺炎球菌感染の危険因子として挙げられています。肺炎球菌は、菌体表面に莢膜と呼ばれる構造を持ち、白血球などの食細胞から細菌本体を守る役割を担っています。また、少なくとも90種類以上の血清型が存在することがわかっています。
アレルギー・膠原病

自己免疫疾患について知ろう

自己免疫疾患とは、体外から侵入する異物に対して攻撃する機能(免疫)が、異常な自己免疫反応により自己を異物と判断し、攻撃してしまうことで発症する疾患の総称です。通常、免疫は細菌やウイルスなどの外敵から体を守ってくれますが、自己免疫疾患では、免疫が自分の体の一部を誤って攻撃し、炎症を引き起こします。これにより、さまざまな症状が現れます。 自己免疫疾患の原因は、遺伝的要因、感染症、環境要因など、さまざまな要因が考えられていますが、まだ完全には解明されていません。自己免疫疾患には、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、クローン病、潰瘍性大腸炎など、さまざまな種類があります。それぞれの疾患によって症状は異なりますが、共通する症状としては、関節の痛みや腫れ、筋肉痛、疲労感、発熱などがあります。 自己免疫疾患の治療法は、疾患の種類や症状に応じて異なります。一般的には、免疫抑制剤やステロイド剤などの薬物治療が行われます。また、疾患によっては、手術や放射線治療が行われることもあります。
検査・診断

看護師に必須の用語『IgG』の意味と役割

-IgGとは何か?- IgG(Immunoglobulin G)とは、血清中の総免疫グロブリン量の約75-85%を占める、最も多い免疫グロブリンのクラスです。IgGは、B細胞で産生され、細菌やウイルスなどの感染防御に中心的な役割を果たしています。IgGは、感染防御の第一線に立って、細菌やウイルスの侵入を阻止し、感染を初期の段階で阻止します。 IgGは、その構造や機能から、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4の4つのサブクラスに分類されます。IgG1は、IgGの中で最も多く産生されるサブクラスであり、細菌やウイルスに対する感染防御に最も重要な役割を果たしています。IgG2は、グラム陰性菌に対する感染防御に特化しており、グラム陰性菌による感染症の治療に用いられます。IgG3は、ウイルスや細菌に対する感染防御に特化しており、ウイルス感染症や細菌感染症の治療に用いられます。IgG4は、アレルギー反応に関与しており、アレルギー性疾患の治療に用いられます。
その他

看護師に必須の用語『免疫寛容』について

免疫寛容とは、特定の抗原に対する免疫応答が抑制、または欠如している免疫のしくみのことです。免疫トレランスとも呼ばれます。免疫寛容は、自己の組織や細胞に対して免疫反応を起こさないようにするために必要です。自己免疫疾患は、免疫寛容が破綻した結果、自己の組織や細胞に対して免疫反応を起こしてしまう病気です。 免疫寛容には、自然免疫寛容と獲得免疫寛容の2種類があります。自然免疫寛容は、生来的に備わっている免疫寛容であり、自己の組織や細胞に対して免疫反応を起こさないようにします。獲得免疫寛容は、後天的に獲得される免疫寛容であり、生後、自己の組織や細胞と接触することで獲得されます。 獲得免疫寛容には、末梢性免疫寛容と中枢性免疫寛容の2種類があります。末梢性免疫寛容は、末梢組織で起こる免疫寛容であり、自己の組織や細胞に対して免疫反応を起こさないようにします。中枢性免疫寛容は、胸腺で起こる免疫寛容であり、自己の組織や細胞に対する免疫反応を起こすリンパ球が胸腺で除去されることで起こります。 免疫寛容は、免疫系の正常な機能に不可欠であり、自己免疫疾患の予防に重要な役割を果たしています。
血液・造血

看護師が知っておきたいサイトカインの基礎知識

サイトカインは、細胞同士の情報伝達作用を持ち、特異的な受容体に結合することで、免疫反応の増強、制御、細胞増殖、分化の調節などを行うホルモン様タンパク質です。サイトカインは、様々な種類の細胞によって合成され、狭い範囲の近傍の細胞にのみ作用することが特徴です。サイトカインは、免疫系、炎症系、造血系、神経系など、様々な生理機能に関与しています。サイトカインは、その作用により、炎症性サイトカイン、抗炎症性サイトカイン、増殖因子、分化因子、免疫調節因子など、様々なグループに分類されます。サイトカインは、細胞の増殖、分化、活性化、アポトーシスなど、様々な細胞機能に関与しています。サイトカインは、感染症、炎症、アレルギー、自己免疫疾患、癌など、様々な疾患に関与しています。
アレルギー・膠原病

看護師が知っておきたい『ナチュラルキラー細胞』の基礎知識

ナチュラルキラー細胞とは、自然免疫の主要因子として、前感作や活性化することなく標的細胞を傷害するリンパ球のことである。NK細胞ともいう。NK細胞は、白血球の一種であり、骨髄で産生され、血液中を循環している。NK細胞は、がん細胞やウイルス感染細胞などの異常細胞を認識して、攻撃する。NK細胞の攻撃は、細胞傷害性タンパク質やサイトカインを放出して行われる。細胞傷害性タンパク質は、異常細胞の細胞膜を破壊し、サイトカインは、異常細胞の増殖を抑制する。NK細胞は、自然免疫の重要な役割を果たしており、がんや感染症から身体を守るのに役立っている。
感染

中枢性免疫寛容とは?~看護師が知っておくべき免疫学~

中枢性免疫寛容とは、自己抗原を異物として認識しない能力を獲得するしくみのことです。これは、自己と非自己を区別する能力を身につけるために必要なプロセスであり、免疫疾患を予防する役割を果たしています。 中枢性免疫寛容は、胸腺で行われます。胸腺は、胸骨の後ろにある臓器で、T細胞が成熟する場所です。T細胞は、自己抗原を認識して破壊する役割を持つ免疫細胞です。しかし、胸腺では、自己抗原を認識するT細胞が破壊され、自己に対する免疫反応が起こらないようにしています。 中枢性免疫寛容が破綻すると、自己抗原を異物として認識して攻撃する自己免疫疾患が起こります。自己免疫疾患には、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症などがあります。
血液・造血

看護師に必須!炎症性サイトカインとは?

炎症性サイトカインとは、炎症反応を促進する働きを持つサイトカインのことである。免疫に関与し、細菌やウイルスが体に侵入した際に、それらを撃退して体を守る重要な働きをする。血管内皮、マクロファージ、リンパ球などさまざまな細胞から産生され、疼痛や腫脹、発熱など、全身性あるいは局所的な炎症反応の原因となる。 炎症性サイトカインは、感染症、外傷、自己免疫疾患など、さまざまな原因によって産生される。感染症の場合、細菌やウイルスの侵入によって炎症反応が引き起こされ、炎症性サイトカインが産生される。外傷の場合、組織が損傷を受けることで炎症反応が引き起こされ、炎症性サイトカインが産生される。自己免疫疾患の場合、体の免疫システムが自分の組織を攻撃することで炎症反応が引き起こされ、炎症性サイトカインが産生される。 炎症性サイトカインは、炎症反応を促進する様々な作用を持つ。例えば、血管を拡張して血流を増やし、白血球を炎症部位に集める作用がある。また、組織を破壊する酵素を産生する作用もある。さらに、痛みや発熱を引き起こす作用もある。 炎症性サイトカインは、炎症反応を促進する重要な役割を果たしているが、過剰に産生されると組織を損傷したり、全身性の炎症反応を引き起こしたりする。そのため、炎症性サイトカインの産生を制御することが重要である。